■証拠を見せない投資家
私は、投資家Kに聞きました。
「私のために用意したお金なら、証拠を見せてほしい」
当たり前の確認のはずでした。
でも――その“当たり前”は、通じませんでした。
「そんなものはない」
そう言って、見せることを拒否したのです。
さらに、
「俺はやると決めたら絶対やる。お前は待てばいい」
そう強い口調で言うだけで、具体的な説明は一切ありませんでした。
私は、これまで仕事が辛いことをこの投資家に何度も話していました。
そのため、
「お前のためにやっているのに」
と言われると、何も言い返せなくなってしまいました。
■違和感は、すでにあった
しばらくして、投資家Kのある言葉に違和感を覚えました。
今回の投資は「事業投資」でしたが、
「事業が軌道に乗るには最低3年はかかる。収益も3年は出ないかもしれない」
と言われたのです。
え、3年?長くない?
そう思い、不安になりました。
投資家Kはさらに、
「◯◯市の駅前に店舗を出したいから物件を探している」
「知り合いに頼んで事務員の募集もかけている」
と話していました。
私は、その話を信じていました。
■不安が確信に変わった瞬間
ある日、私は思い切って聞きました。
「もし事業がうまくいかなかったら、私のお金はどうなるの?」
すると、
「そうなったら自分も損をする」
と、あっさり言われたのです。
その言葉を聞いた瞬間、
私は一気に不安になりました。
そして、出資してしまったことを後悔しました。
■すべて仕組まれていた可能性
不安な日々が続きました。
しかし数カ月後、
その事業が実際には行われていないことが判明しました。
ネットで調べるうちに、
「損害賠償請求は、被害を知ってから3年で時効になる」
ということを知りました。
投資家Kが言っていた
「収益が出るまで3年かかる」という言葉。
その意味に、ようやく気づいたのです。
私は、騙されていたのだと。
■返金の現実
私は弁護士に相談しました。
弁護士は、投資家Kに対して内容証明を送りました。
その際、私は弁護士にこうお願いしていました。
「本当に事業をしていたのか、それとも詐欺だったのかをはっきりさせたい」と。
しかし弁護士は、
「今はそこを追及しないほうがいい」と言いました。
理由は、
相手が“返金する”と言っている段階で余計な追及をすると
支払い自体が止まる可能性があるからでした。
まずは返金を優先する。
そのために、あえて深く追及しないという判断でした。
すると後日、投資家から返答がありました。
「全額返金します」
しかしその内容は、
「毎月1万円ずつしか返せない」
というものでした。
出資額は、とても大きなものです。
1万円ずつでは、一生かかっても返せない金額でした。
私は思いました。
これは、本気で返す気がないのではないかと。
■なぜ、やめられなかったのか
あのとき、私は気づいていました。
「おかしい」と思う瞬間が、何度もあったことに。
それでも、引き返せませんでした。
・ここでやめたら、これまで出したお金が無駄になる
・信じたいという気持ち
・「あなたのためにやっている」と言われた言葉
それらが重なって、判断ができなくなっていました。
今振り返ると、これは投資ではなく、
人の弱さにつけ込まれる構造だったのだと思います。
■焦りが判断を狂わせる
私は、どうしてもお金が必要でした。
老後への不安も、消えませんでした。
早く増やしたい。安心したい。
そう思うほど、焦りは大きくなり、
気づけば冷静な判断ができなくなっていました。
今振り返ると、あのときの私は
不安と焦りに押されて
“信じたいものを信じてしまっていた”
のだと思います。
■同じ状況の人へ
もし今、同じように迷っている人がいたら
少しでも違和感があった時点で止まること
それだけは、伝えたいです。
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