投資詐欺の被害に遭い、あらゆる手段を尽くしました。
それでも動かない現実。
弁護士では回収できないと言われた一言が、すべてを変えました。
■待つしかない時間と、消えない違和感
「また連絡しますわ」
債権回収業者のS社長にそう言われ、私は連絡を待つことになりました。
しかし、その間も気になって仕方がないことがありました。
それは――
私が投資を始めた直後、
投資家Kが2万円で土地を購入していたことです。
あまりにも不自然でした。
なぜ、そのタイミングで。
なぜ、その価格で。
弁護士が調べた結果、その土地の元所有者の名前と住所はすでに分かっていました。
私は自分でも調べてみました。
すると、その人物は女性の会社経営者であり、
会社名や連絡先まで特定することができました。
点と点が、少しずつ繋がっていく感覚がありました。
何かがおかしい。
まだ見えていない“裏”がある――
そんな気がしていました。
■突然の連絡と、予想外の展開
そんな中、弁護士から電話がかかってきました。
「先ほど〇〇さん(投資家K)から連絡がありましてね。
知らない男性が職場に電話してきたと。
“おたく偉い金額騙し取っとるらしいな。
俺、〇〇いうもんや。回収屋や。覚えといてくれ”と…」
私はその話を聞いた瞬間、すぐに誰のことか分かりました。
――あの債権回収業者のS社長だ。
まさか、もう動いているとは思っていませんでした。
しかも、投資家Kの職場に直接電話をするとは。
弁護士は続けました。
「誰かにこの件、話されました?
もしその人がやったなら、こういうことは控えてください。
私に依頼している限りは」
私は少し間を置いて、曖昧に答えました。
「…友人には話しましたが」
正直に言えば、止められると思ったからです。
この時点で、すでに――
“弁護士のやり方”と“回収業者のやり方”の違い
を、はっきりと感じていました。
■回収業者の行動と覚悟
弁護士との電話を切ったあと、
私はすぐにS社長に連絡しました。
「俺が電話したで」
あっさりと認めました。
そして続けてこう言いました。
「あいつ、ヤクザちゃうんか?
“なんじゃコラ”言いよったで。普通あんな言い方しませんで。
あいつ、まとも違いますわ」
さらに、こう続けました。
「まあ、ヤクザでもええけどな。
そういう相手も今まで何人も見てきてるから」
私は思いました。
――やっぱり、あの投資家Kなら言いそうだと。
そのやり取りを聞きながら、
私はある種の“現実の動き”を感じていました。
今まで止まっていたものが、
少しずつ動き始めている。
そんな感覚でした。
■弁護士ではできないこと
ただし、問題もありました。
弁護士に依頼している間は、
債権回収業者との二重依頼はできない。
つまり、どちらかを選ばなければならないということでした。
そんな中、S社長はこう言いました。
「詐欺師にはプレッシャーかけていかな、返ってきませんで」
そして、さらにこう続けました。
「はよ強制執行かけな、こいつ財産隠して逃げよるで」
その言葉に、私は一瞬息をのみました。
これまで弁護士からは聞いたことのない、
あまりにも現実的で、そして切迫した言葉でした。
今動かなければ、本当に何も残らないかもしれない
そんな焦りが、一気に胸の中に広がりました。
その言葉は強く響きました。
ただ、それは違法なことをするという意味ではありません。
法的に許される範囲の中で、
できることを最大限やるということでした。
そして、決定的な一言を言われました。
「弁護士がそこまでしますか?絶対しませんで」
「はっきり言いますわ。弁護士じゃあ回収できませんで」
かなり強い言い方でした。
でも私は、それをただの否定とは受け取りませんでした。
弁護士は法的手続きを進める専門家。
一方で回収業者は、実際に回収するために動く人。
役割が違うのだと、はっきり理解しました。
■決断のとき
このままでは、何も変わらない。
何も戻ってこない。
私はずっと迷っていました。
怖さもありました。
本当にこの選択でいいのか、自信もありませんでした。
でも――
ここで動かなければ、何も変わらない。
そう思いました。
私は、弁護士との契約を終了し、
債権回収業者にすべてを託す決断をしました。
それが正しい選択なのかは、まだ分かりません。
それでも私は――
止まるのではなく、
進むことを選びました。
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