■ついに対面する日が来た
財産開示請求を欠席すると刑事罰の対象になるためか、
投資家Kは裁判所に出廷してきました。
開示請求は、債務者の居住地を管轄する裁判所で行われます。
当日は、ひとりで向かうとトラブルになる可能性があるため、弁護士と駅で待ち合わせ、
一緒に裁判所へ向かうことにしました。
■駐車場に向かう投資家の姿
裁判所へ向かう途中、駐車場のある方向から歩いてくる投資家Kの姿を見つけました。
私は思わず弁護士に「あの人です」と指をさしました。
すると弁護士はこう言いました。
「車で来ているなら、財産がないという主張と矛盾する可能性があります。少し探してみますか」
私たちは急いで駐車場へ向かいました。
しかし敷地は広く、時間も限られていたため、車を特定することはできませんでした。
■受付での“演技”
裁判所に到着すると、受付で投資家Kが話している声が聞こえました。
「もう生活できなくて困ってるんです」
どこか芝居がかった口調でした。
その言葉を聞いた瞬間、胸の奥がざわつきました。
私は顔を合わせたくなくて、受付は弁護士に任せました。
■審問室での緊張
待合室では、緊張と怒りと不安が入り混じり、言葉にできない感情が渦巻いていました。
そして、財産開示請求の時間。
審問室に入り、私は弁護士の隣に座りました。
その向かいに、投資家が座っていました。
一瞬、こちらを見て、すぐに視線を逸らしました。
■やる気のない宣誓
最初に、裁判官から虚偽の申告をしないという宣誓が求められました。
「……はい」
投資家Kは、気怠そうでやる気のない返事をしました。
その態度に、すでに違和感がありました。
■終始ふてぶてしい態度
その後、裁判官から財産目録に沿って質問が続きました。
投資家Kは、質問が終わる前に話し始めるなど、終始横柄な態度でした。
裁判官から
「質問が終わってから答えてください」
と注意されても、不機嫌そうに返事をするだけでした。
さらに、裁判官からこう質問されました。
「今日はどうやってここに来ましたか?」
投資家Kは、
「電車です」
と答えました。
すると裁判官は、
「経路を教えてください」
と続けました。
しかし投資家Kは、
「覚えていません」
と答えたのです。
私は心の中で思いました。
嘘をつくな。駐車場から出てきたくせに。
さらに裁判官は続けました。
「生活費はどうしているんですか?」
投資家Kは、
「友人に借りたり、面倒を見てもらっています」
「現在の住居も友人の家に無償で住まわせてもらっています」
と答えました。
あまりにも見え透いた嘘の連続に、
私は開いた口が塞がりませんでした。
弁護士が土地について質問すると、
「知人から2万円で買った。固定資産税も払っていない」
と答えました。
■「ない」と言って笑った
そして、私の番になりました。
「元本保証の投資の詳細を教えてください」
投資家Kははぐらかすような言い訳をしました。
私はさらに聞きました。
「私のお金は、あるんですか?」
その瞬間――
投資家Kは、ニヤリと笑いながら言いました。
「ない」
■怒りと崩れる感覚
その笑顔は、今でも忘れられません。
怒りで震える手。
耳の奥で鳴る心臓の音。
頭が真っ白になる感覚。
私はその場で怒鳴りそうになりました。
しかし、裁判官や書記官、弁護士の前で、必死に感情を抑えました。
場の空気は一気に張り詰め、
弁護士が間に入って制止しました。
■最後までふざけた態度
投資家Kはその後も文句を言い続け、
「とりあえず土地でも差し押さえたらいいよ」
と投げやりに言い放ち、審問室を出ていきました。
その姿を見て、私は確信しました。
この人は、最後まで責任を取るつもりがない
■正義の場で感じた現実
裁判所という「正義の場」で、
不正が平然と行われている現実。
私は深く傷つきました。
それでも――
この場に来たことで、はっきり分かったことがあります。
お金は戻らない
誰も助けてはくれない
その現実です。
■それでも、参加してよかった
財産開示請求は、正直つらい経験でした。
それでも、私は参加してよかったと思っています。
なぜなら、
「現実を自分の目で見た」からです。
ここから先は、
もう誰かに期待するのではなく、
自分で前に進むしかないのだと、強く感じました。
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