■投資詐欺の手がかりを掴んだ瞬間
投資家Kの車のナンバーの一部、4桁の数字が分かりました。
私はすぐに弁護士に伝え、所有者を調べてもらうことになりました。
これで何か進展するかもしれない。
そう思いました。
しかし現実は違いました。
車の所有者を特定するには、
4桁の数字だけでなく、地名・分類番号・ひらがなまで必要とのことでした。
結局、調査は不可能に終わりました。
それでも、諦めきれませんでした。
■銀行口座を特定しても残高はわずか
弁護士照会で調べた数十件の銀行口座。
その中から、いくつか投資家名義の口座が見つかりました。
やっと掴んだ手がかり。
そう思ったのも束の間、
残高はどれも数千円程度しかありませんでした。
■警察に相談しても動いてもらえなかった現実
私は再び警察に連絡しました。
以前訪れた警察署の担当刑事に電話をかけ、
車のナンバーや口座の情報を伝え、もう一度、刑事告訴をお願いしました。
少しでも状況が変わるかもしれない。
そう思って、必死でした。
しかし返ってきた言葉は、想像以上に厳しいものでした。
「上司に確認しましたが、証拠が足りません。
明確な証拠はあるんですか?
もっと確かな証拠を集めてから来てください」
その言葉に、何も言い返せませんでした。
出せる証拠は、すでに全て出していました。
それでも足りないと言われる現実。
詐欺師が、わざわざ証拠を残すはずがない。
では、誰がそれを証明するのか。
警察は、助けてくれるわけではないのか。
そんな思いが頭の中を巡り、
ただただ気持ちが沈んでいきました。
■弁護士に相談しても進まない現実
それでも、諦めることはできませんでした。
弁護士にも、もう一度相談しました。
「刑事告訴はできませんか」
しかし返ってきたのは、はっきりしない返事でした。
出資法違反や金商法違反についても聞きましたが、
「正直、難しいですね」と言われました。
私は強く後悔しました。
もっと証拠を残しておけばよかった。
あのとき、なぜ疑わなかったのか。
何度も何度も、自分を責めました。
■差し押さえできる財産が見つからない現実
さらに調べを進める中で、
投資家Kの住所は借家であることも分かりました。
弁護士からはこう聞かれました。
「差し押さえできそうな財産に心当たりはありませんか?」
思い浮かぶのは、高級車やブランド品ばかり。
しかし、それらを特定することは簡単ではありません。
何も掴めないまま、時間だけが過ぎていきました。
■財産開示請求という最後の手段
そんな中、弁護士から提案がありました。
「財産開示請求をしてみましょう」
法律が変わり、
財産開示を拒否したり虚偽の申告をすれば、刑事罰の対象になるとのことでした。
私は迷いました。
それでも――
やるしかないと思いました。
一か八か、財産開示請求を進めることにしました。
■財産はほとんど残っていなかった
しばらくして、投資家Kから財産目録が届きました。
そこに書かれていたのは、
数千円しか入っていない銀行口座と、
他県にある土地の情報だけでした。
預貯金、動産、保険、給与――
すべて「なし」。
弁護士がその土地を調べると、
他人名義で、
雑草が生い茂る、住むこともできないような土地でした。
さらに――
弁護士が調べたところ、その土地は、私が投資に参加して間もない時期に、投資家Kが購入していたことも判明しました。
私は、その事実を知ったとき、強い違和感を覚えました。
「価値はほとんどありませんね」
その言葉を聞いたとき、
また一つ、希望が消えました。
■再び向き合う決意
それでも弁護士は言いました。
「財産開示当日に、この件について直接聞いてみましょう」
そして、私にも参加するかどうかを聞かれました。
「相手と顔を合わせることになりますが、大丈夫ですか?」
正直、会いたくはありませんでした。
でも――
ここで逃げたら、何も変わらない。
そう思い、参加することを決めました。
質問できる時間は限られています。
本当に聞きたいことだけを整理するように言われました。
私は、いくつかの質問を考えました。
そして――
財産開示請求当日。
私は、再びその投資家Kと向き合うことになります。
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