■裁判所でも通る「嘘」という現実
財産開示請求で、投資家Kの嘘八百の発言を目の当たりにしました。
裁判所という場で、
あれほど見え透いた嘘が平然と語られ、
それがそのまま進んでいく現実。
私は、信じることができませんでした。
私は可能な限りの証拠を弁護士に提出し、
警察にも足を運び、直談判しました。
それでも返ってきたのは――
「証拠が足りない」
という言葉でした。
なぜ、こちらの証拠は足りないと言われるのに、
あの投資家Kの嘘は通ってしまうのか。
その理不尽さに、私は言葉を失いました。
■限界と、動かない現実
財産開示請求の翌日、
私は体調を崩して寝込みました。
投資家Kと対面した精神的疲労。
そして――
これ以上、何もできないかもしれないという絶望。
弁護士からも、それ以上の提案はなく、
ただ時間だけが過ぎていきました。
このまま終わるのか――
そんな思いが、頭の中を何度も巡りました。
■それでも、終わりたくなかった
それでも私は、諦めきれませんでした。
このまま終わるなんて、悔しすぎる。
あの投資家Kの思う通りになるのだけは、絶対に嫌でした。
四面楚歌の中で、私はあることを思い出しました。
――一枚の名刺です。
あのとき、何気なく受け取った名刺。
それが、最後の希望になるとは
思ってもいませんでした。
■名刺一枚に賭けた最後の望み
詐欺に遭う前、
友人に紹介されてお茶をしたときに交換した名刺。
その相手は、債権回収業者の社長でした。
この記録では、債権回収業者の社長は「S社長」と記載します。
いわゆる“ミナミの帝王”のような威圧的な雰囲気ではなく、
今どきのオシャレで洗練された男性でした。
一見するとかっこいい男性で、感じのいい雰囲気ですが、
言葉を発した瞬間、その場の空気が変わる人でした。
関西弁で気さくな雰囲気。
ジムで鍛えられた体格に、洗練されたファッション。
そして何より――
数多くの債権回収に関わり、
詐欺師を追い込んできた実績を持つ人物でした。
告訴状の作成や警察への提出、
裁判所での手続きも経験していると話していたことを思い出しました。
■最後の一歩
私は意を決して、
その名刺に書かれた番号に電話をかけました。
「あーどうもどうも。どうしはったんですか?」
明るい声が返ってきました。
私はこれまでの経緯を、すべて話しました。
騙されたこと。
失った金額。
ここまでの流れ。
すると、少し間をおいてこう言われました。
「……そいつ、相当手慣れた詐欺師や思いますよ」
そして続けて――
「名前、住所、電話番号、職場、全部教えて」
そう言われました。
■執念で掴んだ情報
実は、投資家Kの職場については、すでに調べていました。
きっかけは、投資家Kの何気ない一言でした。
「内縁の嫁が〇〇県〇〇市で店をやってる。
週に何日か手伝いに行ってる」
その言葉を頼りに、
私はネットで必死に調べました。
そしてついに、その店舗を特定しました。
ホームページには、スタッフ紹介として
投資家Kの顔写真まで掲載されていました。
私は、その情報をすべてS社長に伝えました。
■動き出した、新しい流れ
電話では、依頼契約についての説明も受けました。
その中で、S社長はこう言いました。
「うち、安くないで」
その一言に、私は一瞬言葉を失いました。
それは脅しではなく、
これから本気で動くという覚悟
その表れのように感じました。
「また連絡しますわ」
そう言って通話は終わりました。
これまでとは違う手応えを、
わずかに感じていました。
そしてこのあと――
その債権回収業者S社長が取った行動は、
想像を超えるものでした。
四面楚歌の中で、
私はもう一歩、前に進むことになります。
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