【投資詐欺体験談⑫】動産執行の現実|初めての裁判所で限界を感じた日|再起記録13

投資詐欺被害で裁判所に向かう女性と、詐欺師をイメージした男性のイラスト。動産執行の現実と精神的限界を表現したアイキャッチ画像 再起記録
初めての裁判所での強制執行手続き。動産執行の現実と、限界まで追い詰められた実体験を記録しています。

投資詐欺の被害に遭い、あらゆる手段を尽くしました。

それでも回収できない現実。

私は弁護士を切り、債権回収業者へ依頼し、強制執行の手続きを進めることになります。

■初めての裁判所と、不安だらけのスタート

債権回収業者のS社長から、裁判所での手続きについて電話で説明を受けていました。

しかし――正直、何が何だか分からない。

「あの書類をこうして、ああして…」

そう言われても、頭に入ってこないのです。

私は不安に耐えきれず、裁判所への同伴をお願いしました。

「少しだけならええですよ」

その言葉に救われ、夕方に一緒に裁判所へ行くことになりました。

■不動産執行ではなく、動産執行という選択

強制執行には、不動産執行と動産執行があります。

しかし、投資家Kの自宅は借地で他人名義。

不動産執行はできませんでした。

さらに、不動産執行には数十万円の予納金が必要です。

詐欺で一文無しになった私には、とても用意できる金額ではありませんでした。

「数万円でできるで。手続きも簡単や」

S社長が提案したのは、動産執行でした。

「執行官と家に入るやろ?その時に俺が本人と話すんや」

つまり、動産執行を利用して

詐欺師と直接対面する――

そんな方法でした。

■弁護士ではできない“回収の現場”

S社長はこう言いました。

「詐欺師はな、プライド高いし外面よくて、ええかっこしいやろ。自宅に来られたら近所に知られるやん。そしたら恥さらすやろ。それが一番応えるらしいからな。」

その言葉を聞いたとき、私ははっとしました。

これまで弁護士からは一度も聞いたことのない話でした。

「弁護士じゃ回収できませんで」

「詐欺師にはプレッシャーかけな返してきません」

その意味が、この瞬間に繋がった気がしました。

弁護士は法的手続きを進める人。

一方で、S社長は“現場で回収する人”。

少し強引で、説明も大雑把。

それでも、そのやり方には現実味がありました。

私は初めて、“お金を取り戻す側の世界”を見ているような気がしました。

■強制執行手続きの壁にぶつかる

裁判所での手続きは、想像以上に過酷でした。

申立書の記入、利息の計算、証拠書類の整理。

すべてが初めてで、頭は完全に混乱していました。

書き方も細かく、何度も職員やS社長に確認。

それでも――

不備だらけでした。

その日は申立ができず、後日やり直し。

さらに修正、再提出、郵送。

また不備。

またやり直し。

■何度も折れそうになった

申立が、まったく進まない。

夜勤の合間に書類を準備し、

寝不足のまま裁判所へ通う日々。

何度も通い、何度も訂正。

体力も気力も、限界でした。

さらに、裁判所での対応にも心が削られました。

職員の中には、優しく丁寧に対応してくれる人もいました。

しかしその一方で、冷たい対応の人もいました。

申立書は、提出部数ごとにコピーが必要だと知らず、

「もう1枚ほしい」とお願いしたときのことです。

聞こえるように小さく文句を言われているのが分かりました。

その瞬間、胸の奥がズキッとしました。

詐欺で一文無しになったこと。

投資家Kにだまされた悔しさ。

すでに心が弱っていた私は、

その一言で、さらに追い詰められたような気持ちになりました。

「もうやめたい」

正直、何度もそう思いました。

■それでも前に進む理由

それでも――

ここでやめるわけにはいかなかった。

ここで諦めたら、

投資家Kに負けたことになる。

そう思ったのです。

私はもう、戻れないところまで来ていました。

だからこそ、進むしかない。

どれだけ時間がかかっても、

どれだけしんどくても。

私は、前に進むことを選びました。

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