※この話は続きものです
▶ 詐欺で一文無しになった最初の話はこちら
投資詐欺の被害に遭い、私はできる限りのことをしてきました。
弁護士に依頼した。
裁判もした。
それでも――
お金は戻りませんでした。
最終的に私は弁護士との契約を終了し、債権回収会社へ依頼することを決断しました。
K氏に対する動産執行。
自宅への強制執行。
そして店への強制執行。
できることは全てやったつもりでした。
しかし結果は変わりませんでした。
店への強制執行では、経営を任されている内縁の嫁が激しく抵抗。
警察まで呼ばれる騒ぎになりました。
それでも執行官が事情を説明すると、警察は納得して帰っていきました。
しかし、店内の動産が本当にK氏名義なのか確定できず、強制執行は不能という形で終了。
私はまた、ひとつ壁にぶつかったのでした。
そんな中、S社長は次の行動に出ます。
以前、刑事告訴を受理してくれなかった警察署へ再び向かうことにしたのです
投資詐欺で刑事告訴は受理されるのか|警察捜査二課へ再び向かった日
店への強制執行の翌日。
S社長は、私が作成した告訴状を持って警察署の捜査二課へ向かいました。
S社長は声が大きい。
圧もある。
そして口調もきつい。
良くも悪くも、相手に遠慮しない人でした。
しかし警察の反応は相変わらずでした。
「上司に確認しないと分かりません」
「証拠が足りません」
またその言葉です。
するとS社長が声を荒げました。
「証拠足りません足りませんてなぁ!」
「十分出しとるがな!」
「詐欺師が証拠残すわけないやろ!」
「何があかんねん!」
「どうやって証拠集めるねん!」
私はその場にいませんでしたが、容易に想像できました。
さらにS社長は続けたそうです。
「お宅らなぁ!」
「交通違反ばっかり捕まえとったらあかんで!」
「お宅らが証拠ない言うて詐欺師捕まえへんから、この国は詐欺師だらけになるんや!」
刑事も困った顔をしていたそうです。
ですが結果は変わりませんでした。
結局、その警察署でも話は前へ進みませんでした。
詐欺師と内縁の嫁は別住所だった|住民票調査で判明した事実
警察への働きかけと並行して、S社長は別の調査も進めていました。
それが内縁の嫁の住民票調査です。
店への強制執行の時から、私はずっと気になっていました。
本当に内縁の嫁は無関係なのか。
本当に店はすべて内縁の嫁のものなのか。
調査の結果、やはりK氏と内縁の嫁は入籍していませんでした。
さらに驚いたのは、
住民票上の住所まで別だったことです。
そしてS社長は住民票だけで終わりませんでした。
なんと、
K氏の戸籍の附票まで取得したのです。
以前、K氏はこう言ったことがありました。
「俺、◯回結婚してきたからな」
私はその言葉を忘れていませんでした。
本当かどうかは分かりません。
でも妙に引っ掛かっていたのです。
普通なら戸籍の附票など簡単に取得できません。
しかしS社長は違いました。
店への強制執行を担当した執行官に協力を依頼し、必要な書類を整えたうえで取得したのです。
私は驚きました。
債権回収のプロは、私たち一般人が知らない方法を知っている。
そのことに何度も度肝を抜かれました。
戸籍の附票で判明した詐欺師の引っ越し歴
そして戸籍の附票を見て、さらに驚くことになります。
K氏は、ほぼ1年ごとに住所を変えていました。
全国各地を転々としていたのです。
その履歴を見ながらS社長が言いました。
「詐欺ばっかりして逃げ回っとるんかもしれんな」
さらに続けて、
「こいつは逮捕させなあかん」
「刑務所入れなあかんで」
そう強い口調で言いました。
もちろん、それが事実かどうかは分かりません。
ですが戸籍の附票に並ぶ住所変更の履歴は、私の目にも異様に映りました。
刑事告訴は各警察署で拒否|被害届すら受理されなかった現実
その後もS社長は諦めませんでした。
別の管轄の警察署。
捜査二課。
生活安全課。
何度も足を運びました。
しかし返ってくる答えは同じでした。
「証拠不十分です」
「弁護士に依頼してください」
その言葉を聞くたび、S社長は食い下がりました。
「あのなぁ」
「弁護士に刑事告訴頼んだらいくらかかるか知っとるか?」
「最低でも何十万もするんやで」
「払えん人間は警察来るな言うてるんか?」
刑事たちは嫌そうな顔をしたそうです。
それでも、
告訴状は受理されませんでした。
被害届すら書かせてもらえませんでした。
私は次第に疲弊していきました。
恐喝としても相談したが受理されなかった
S社長はさらに別の可能性を探しました。
「ホテルで投資金出せって怒鳴られたやろ?」
「恐喝として相談してみようや」
そう言い、ホテル管轄の警察や私の自宅近くの警察署にも相談しました。
私は後日、自宅近くの警察署へ向かいました。
担当したのは強行犯担当の刑事でした。
いかにもベテラン刑事という雰囲気でした。
しかし最初からあまり乗り気ではない様子でした。
私は経緯を説明しました。
すると返ってきたのは、
「顔が怖いだけで恐喝とは言えませんからねぇ」
という言葉でした。
私はそんな話はしていません。
なぜその話になるのかも分かりませんでした。
結果は、
やはり受理不可。
1階で待っていたS社長に報告すると、
「なんでや!」
「何が捜査一課じゃ!」
と一喝。
それでも状況は変わりませんでした。
警察へ行く。
断られる。
また別の警察へ行く。
そしてまた断られる。
その繰り返しでした。
正直、この頃の私はかなり疲れていました。
「諦めたら終わりやで」債権回収会社社長の言葉
そんな私に、S社長は言いました。
「行けるところまで警察行ってみよう」
「諦めたら終わりやで」
諦めたら終わり。
その言葉だけが妙に胸に残りました。
被害者が諦めた瞬間、本当に全て終わってしまう。
だから私は、もう少しだけ動いてみようと思ったのです。
そしてその後――
私は思いもよらない形で、再び事態が動き始めることになります。
ーーー
詐欺から再起している看護師
投資詐欺で全て失いました。
勝訴しても、お金は戻りませんでした。
夜勤看護師|借金返済でトリプルワークの日々。
どん底から人生を立て直しています。
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