※この話は続きものです
▶ 詐欺で一文無しになった最初の話はこちら
投資詐欺の被害に遭い、私はできる限りのことをしてきました。
弁護士に依頼した。
裁判もした。
それでも――
お金は戻りませんでした。
最終的に弁護士との契約を終了し、債権回収会社へ依頼しました。
K氏に対する動産執行。
自宅への強制執行。
そして店への強制執行。
何度も警察署へ足を運びましたが、告訴状は受理されませんでした。
しびれを切らした債権回収会社S社長は、県警へ直接電話。
正直、私は「県警に言っても何も変わらない」と思っていました。
ところが数日後。
警察署から一本の電話が入ります。
「一度、来ていただけますか。」
今まで門前払いだった警察が、話を聞くと言ったのです。
※前回の記事はこちら
→【投資詐欺体験談⑳】投資詐欺の刑事告訴はなぜ受理されない?県警への相談で変わった警察対応
投資詐欺の告訴状が受理されない|県警への訴えで警察対応が変わった
電話でそう言われた瞬間、私は思いました。
S社長が県警捜査二課へ、相当強く訴えたのだと。
関西弁で大きな声。
遠慮なく相手へ切り込む。
県警の担当者も、かなりの圧を感じたのではないかと思います。
正直に言えば、S社長は好き嫌いが分かれるタイプです。
声は大きい。うるさい。
しつこい。
強引。
悪く言えば「近寄りたくない人」という印象を持つ人もいるでしょう。
ですが、この日だけは、その強引さが味方になってくれました。
債権回収会社社長と再び警察署へ|捜査二課・生活安全課との面談
当日、私はS社長と一緒にH警察署へ向かいました。
担当は捜査二課のN刑事。
さらに生活安全課の刑事も同席し、刑事2人が話を聞くことになりました。
S社長が部屋へ入った瞬間。
N刑事の表情が一変しました。
以前、S社長がかなり厳しい口調で抗議していたからです。
専用の個室へ案内されると、
S社長は当然のように言いました。
「私も話あるので入らせてもらうわ。」
N刑事は終始、嫌そうな表情でした。
「なぜ捜査しない」債権回収会社社長が刑事へ強く抗議
席に着くなり、S社長が切り出しました。
「なんで捜査できへんねん!」
「してくれるんか!?」
さらに、
「交通違反ばっかり取り締まってる場合ちゃうで。」
「世の中、詐欺師ばっかりや。」
「捕まえへんから被害者が増えるんや!」
刑事相手でも遠慮はありません。
思ったことを、そのままぶつけていました。
投資詐欺では証拠不十分|出資法違反での捜査も求めた
それでも刑事の返答は変わりませんでした。
「詐欺として捜査するには証拠が足りません。」
私は生活安全課の刑事へお願いしました。
「出資法違反なども含めて捜査できませんか。」
刑事はしばらく考え、
こう答えました。
財産開示請求の虚偽申告を調査|詐欺師の財産捜査が始まる
「財産開示請求で虚偽の陳述をした可能性があります。」
「まず財産状況を調べてみます。」
その言葉を聞いた瞬間、
ようやく何かが動き始めた気がしました。
門前払いだった警察が、
初めて「調べる」という言葉を口にしたのです。
振込履歴・投資ブログ・出版書籍を提出|被害経緯を一から説明
そこから私は、
また最初から説明を始めました。
振込履歴。
K氏の投資ブログ。
出版していた投資本。
勤務先。
だまされた経緯。
強制執行。
財産開示請求。
分厚い資料を並べながら、一つひとつ説明していきました。
警察署を変えるたびに同じ説明|投資詐欺被害者の重い負担
これが本当に苦しいのです。
警察署が変わるたび。
担当刑事が変わるたび。
毎回、最初から。
何時間も同じ説明を繰り返さなければなりません。
精神的にも体力的にも、
何度も心が折れそうになりました。
その横でS社長は止まりません。
「頼むから捜査してくれ!」
「こいつ逮捕せなあかん!」
「戸籍の附票見てみ!」
「毎年住所変えとるやないか!」
「相当、人をだましとるで!」
今となっては何をどこまで話していたのか覚えていません。
それほど必死でした。
N刑事は終始、不機嫌そうな表情で黙って聞いていました。
気付けば約2時間。
事情聴取はようやく終わりました。
2時間の事情聴取が終了|「もっと強引にいかな警察は動かない」
警察署を出たあと、
私はS社長に聞きました。
「よく刑事にあそこまで言えますね。」
するとS社長は笑いながら言いました。
「もっと強引にいかな、警察動きませんで。」
その言葉が、今でも忘れられません。
私が一人で2回通い、
絶望して帰ったあの警察署。
その空気を、
S社長は一変させてしまったのです。
捜査開始後も連絡なし|債権回収会社社長が警察へ確認を続けた
しかし、それで終わりではありませんでした。
2週間後。
1か月後。
さらにその後も。
S社長はN刑事へ何度も電話を入れます。
「はよ動いてえな!」
「まだですか!」
「頼みますわ!」
電話の向こうでは、
「捜査していますから……」
「まだ身元を調べていますので……」
と刑事が慌てたように答えていたそうです。
投資詐欺で警察を動かすには?門前払いを経験した私が伝えたいこと
毎日のように確認し、
何度も警察へ足を運び、
何度も同じ説明を繰り返す。
泥臭くても、
動き続けるしかありませんでした。
私はこの経験を通して、
「被害者だから待っていれば動いてくれる」
とは思えなくなりました。
動かなければ、何も変わらない。
それが私の実感です。
もちろん、すべての警察官や警察署が同じではありません。
ですが、私には一つだけ確信があります。
声を上げ続けることで、初めて動き始めることもある。
もし今、門前払いされ、心が折れそうになっている被害者がいるなら。
この体験が、
暗闇の中の小さな光になれば幸いです。
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詐欺から再起している看護師
投資詐欺で全て失いました。
勝訴しても、お金は戻りませんでした。
夜勤看護師|借金返済でトリプルワークの日々。
どん底から人生を立て直しています。


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